koshika

猫好き太めのピアニストの思いつくままに

弦の長さを感じて弾く

       弦が長いほど弾きやすかった

くぐもった音をどこかで聴いた。どこだっけ?と思い出していたら、ひと月ほど前の知り合いの演奏会だった。

私の耳が悪くなっているのかと不安な今だけど。音を聴き分ける耳と加齢による耳の衰えと、いずれにしても恐怖ですが。

それはスタンウェイでしたけれど、先日と同じく高音が特にくぐもっていた。

低音の方が弦が長いから高音に比べたら響いたのかもしれない。ピアノの問題か、私の耳の問題か、演奏者の問題か・・・

ピアノは鍵盤から直接音は出なくて、たくさんのアクションを通じてハンマーまで伝え、ようやく弦を鳴らす。だから弦を感じて鍵盤を下ろさないと出したい音は出ない。解っちゃいるけど~;

弦をなるべく直接鳴らすんだ!と思って鍵盤にやりたいことを伝えないと音楽になりにくい。弦を感じない演奏は音楽が狭くなる?拡がりは感じられないと思うし、深さも減ってしまうと思う。

弦で響いた音は反響版からホールの天井へと運ばれる気がする。そして客席にシャワーの様に降り注ぐ。ある時は力を増して、ある時は光を放ち、ある時は羊毛で包まれるかのように。

一流のピアニスト達はあらゆる感触の音をホールの空間に与えくれる。

 私もそんな風に演奏したい===!!!